【中日】鬼門の敵地で巨人撃破!初のビジターカード勝ち越しで見えた逆襲の光と、足枷となりかねない首脳陣の「ブレる采配」
敵地・東京ドームで行われた読売ジャイアンツとの3連戦。最下位からの浮上を狙う中日ドラゴンズは、1勝1敗で迎えた最終戦で驚異的な粘りを見せ、5-3で劇的な逆転勝利を収めた。
特に最終戦の8回表、一挙4得点を奪って試合をひっくり返した猛攻は、これからのドラゴンズの戦いに大きな期待を抱かせるに十分な内容だった。初のビジターカード勝ち越しという最高の結果を手にし、チームは間違いなく勢いに乗るチャンスを迎えている。
しかし、その歓喜の陰で、一歩間違えれば再びチームの勢いを完全に失わせかねない首脳陣の不可解な判断(采配)があったことも見過ごしてはならない。ここからドラゴンズが一つでも上の順位に上がり、Aクラス、そしてその先を本気で目指すために必要な「ブレない覚揃(覚悟)」と、改めて浮き彫りになった課題を徹底考察する。
【最大の猛省ポイント】「2番・鵜飼」への送りバント指示という、あってはならない大矛盾
この3連戦、そしてこれからのドラゴンズの命運を占う上で、どうしても苦言を呈さなければならないのが、最終戦の9回表の攻撃だ。
先頭の岡林勇希がヒットで出塁した直後、ベンチが2番・鵜飼航丞に下したサインは「送りバント」だった。結果的にその後にタイムリーが出て勝利したから良かったものの、この判断は「絶対にあってはならない大不正解」だったと言わざるを得ない。
そもそも、長打力が魅力のロマン砲・鵜飼をあえて「2番」に据えた意図は何だったのか。それは、ランナーが出たら中軸の前に機械的に送るという、これまでの「脳死バント野球」から脱却し、強攻策で一気に畳みかける超攻撃的野球へとシフトするためだったはずだ。それにもかかわらず、その鵜飼にバントをさせてしまっては、2番に置いている意味が全くない。
さらに言えば、鵜飼は1軍・2軍を通じて公式戦でバントの経験がない打者だ。そんな選手に、1点差の緊迫した9回にぶっつけ本番でバントをやらせるプロとしての合理性の低さ。案の定バントを失敗して追い込まれた後、ベンチはバスターに切り替えさせたが、相手からすれば見え透いたバスターなど何の脅威でもない。結果は最悪の3球三振だった。
鵜飼がバントの構えをした瞬間に、スタンドのファンから落胆と怒号が入り混じった声が上がったことこそが、すべての答えだ。ファンは鵜飼に小さくまとまったバントなど求めていない。 「バントができないから」という理由で、火曜日からの試合で鵜飼を2番から外したり、元のバント頼みの小細工野球に逆戻りするようなことがあれば、ドラゴンズの未来は再び暗転する。2番・鵜飼を継続し、何があっても打ち勝つ野球を貫く。それこそが今最も必要な要素だ。
【未来への投資】石川昂弥の復帰とサード固定。福永、周平の起用法に見る「一貫性」
もう一つ、これからの逆襲に欠かせないのが「勝っている時こそ、未来の軸を固定して戦う」という一貫性だ。
石川昂弥が負傷の影響でスタメンを外れた2戦目、首脳陣は打順を大幅に入れ替え、結果として相手投手の前にわずか1安打で完封負けを喫した。勝っている時、状態が良い時こそ、オーダーの手綱をパタパタと変えるべきではない。打席での役割がブレれば、選手は本来のバッティングを見失ってしまう。
最終戦の9回に代打で登場し、見事な執念のタイムリーを放った石川昂弥が、もし動ける状態であるならば、火曜日からのリーグ戦では何が何でもサードのスタメンに固定すべきだ。 代わりに入っている福永裕基の調子が上がらないからといって、ここで経験豊富な高橋周平をスタメンに戻すのは目先の1勝に囚われた選択だ。周平の存在感は代打の切り札やバックアップとしてまだ計算できる範囲だが、チームの5年後、10年後の黄金期を作るためには、石川昂弥と鵜飼の「和製大砲コンビ」と心中する覚悟が現場トップには求められる。
【外国人・リリーフ戦略】アブレイユ合流を機にブルペンの新陳代謝を急げ
最終戦では齊藤綱記、吉田聖弥、松山晋也らが薄氷のリードを守りきったが、リリーフ陣が常にプレッシャーと勤続疲労と戦っている現実に変わりはない。
この3連戦で1軍に合流したアルバート・アブレイユの存在は、今後のブルペン運用において大きな鍵となる。アブレイユ自身の来季契約へのサバイバルという意味だけでなく、彼を勝ちパターンに組み込むことで、他のリリーフ陣を休ませる「リフレッシュ運用」が可能になるからだ。
一方で機能していないメヒア、ボスラー、カリステといった助っ人陣のシビアな見極めをフロントが選択しなくてはならない一方で、現場は今あるリリーフのピースを最大限に活かし、後ろをゼロに抑える形を再構築しなければならない。先発陣(柳、大野、金丸、マラーら)が作ったゲームを、ブルペンが締め、覚醒した若い打線が点を奪い取る。この好循環を作ることこそが、借金「19」を返済していく唯一の道だ。
まとめ|「勝てる野球」の土台を今度こそブレずに作れ
巨人に勝ち越したという事実は、選手たちにとって大きな自信になったはずだ。8回の阿部寿樹の逆転打、石川昂弥の追加点、どれもファンが求めていた「強いドラゴンズ」の姿そのものだった。
だからこそ、首脳陣は目先の1点に怯えて、得点に結びついていないバント野球に逃げ帰ってはならない。選手を信じてどっしりと構え、超攻撃的野球のスタイルを貫き通すこと。 火曜日からのホーム戦、再び若竜たちが躍動し、ベンチが一貫性のある采配を振るうことを切に願う。反撃の狼煙は、上がったばかりだ。

意地を見せろ!!ドラゴンズ!!
ミナドラ
中日ドラゴンズを中心に、選手の成績やプレー内容をもとにした考察記事を書いています。 試合結果だけでなく、データや内容からドラゴンズの現在地や今後の可能性を考えるのが好きです。 ドラゴンズファンの方に、野球をより深く楽しんでもらえる記事を発信していきます。