【中日】初回3点先制も……髙橋宏斗の「豹変の6回」2四球と、2回以降沈黙した拙攻打線が招いた痛恨の逆転負け
広島東洋カープを迎えての3連戦最終戦。カード勝ち越しを狙う中日ドラゴンズのマウンドには、チームのエースとしてさらなる覚醒が期待される髙橋宏斗が上がった。
対する広島の先発は、手強い若手の岡本駿。
試合は初回、これ以上ない最高の形で動き出し、バンテリンドームは大歓声に包まれた。しかし、終わってみれば3-5での逆転負け。序盤の主導権を自ら手放してしまった、あまりにももったいない敗戦となった。
電撃の3点先制!阿部・石川昂弥・鵜飼の集中打で魅せた初回
1回裏、ドラゴンズ打線が岡本駿の立ち上がりを完璧に捉える。
先頭の村松開人が放った打球は高く跳ね、内野安打で出塁すると、続く田中幹也のバスターが成功し、チャンスを広げ、2022年ドラフトの1.2番が機能した。 5番・阿部寿樹が四球を選んで2アウト1、2塁とすると、6番に入った石川昂弥がセンター前へ弾き返す執念の2点タイムリーヒットを放ち、まずは2点を先制!
さらに続く7番・鵜飼航丞もレフト前へタイムリーヒットを放ち、初回だけで一挙3点をもぎ取る。これ以上ない最高の援護点を、先発の髙橋宏斗にプレゼントした。
追加点のチャンスを潰し続けた「2回以降の拙攻」
しかし、今日の試合の最大の分岐点は、この「初回以降の打線」にあったと言わざるを得ない。
2回裏には、髙橋宏斗のセカンド内野安打やジェイソン・ボスラーのヒットなどでチャンスを作るも、細川成也が見逃し三振。 4回裏にも、四球で出たランナーを高橋宏斗がバント三振で進められず、村松がピッチャー併殺打に倒れるなど、岡本を完全にノックアウトできるチャンスを何度も自ら潰してしまった。
初回に3点を奪ったとはいえ、それ以降のイニングで一切の追加点を奪えなかった打線の機能不全が、徐々に広島側に流れを明け渡す遠因となった。
5回まで無失点の快投から、突如訪れた「豹変の6回表」
打線が追加点を奪えず、3-0のまま迎えた6回表。ここまで広島打線を力で抑え込んでいた髙橋宏斗に、突如として魔の瞬間が訪れる。
1アウトからランナーを出すと、2番菊池涼介にレフトスタンドへの2号2ランホームランを浴び、3-2と1点差に詰め寄られる。ここまでは、相手が一枚上手だったと切り替えるべき場面だった。
本当に悔やまれるのは、このホームランを打たれた「直後」の髙橋宏斗のピッチングだった。
自滅の引き金。失点直後の「もったいない2つの四球」
ホームランを打たれた直後、続く勝田成をピッチャーゴロに仕留めて2アウトまで漕ぎ着けた。しかし、ここからギアを入れ直さなければならない場面で、髙橋宏斗の制球が急激に乱れる。
4番・坂倉将吾にライト線への二塁打を浴びた後、続くモンテロ、さらには大盛穂に対し、連続で歩かせてしまうという、あまりにも「もったいない2つの四球」を出してしまったのだ。
打ち取ったランナーや、勝負を避けるべきではない場面でのこの連続四球は、自らピンチを最悪の形へ広げる自滅の引き金となってしまった。
痛恨の逆転劇。持丸に浴びた走者一掃のタイムリー
2アウト満塁という絶体絶命のピンチを自ら招いたところで、広島の7番・持丸泰輝にライト線へ走者一掃のタイムリーツーベースを浴び、一気に3点を与えて3-5。
一瞬にして試合をひっくり返される最悪の逆転劇となってしまった。
エースとしての階段を登る髙橋宏斗だからこそ、ホームランを打たれた後のあの2つの四球は、猛省しなければならない大きな課題として残る。
孤軍奮闘の石川昂弥!2安打2打点の輝きをチームの起爆剤にせよ
この重苦しい敗戦の中で、唯一の、そして最大のポジティブ要素となったのが、6番に座った石川昂弥のバッティングだ。
初回の先制2点タイムリーヒットだけでなく、逆転を許した直後の6回裏にも、ライト前ヒットを放ち、この日2安打のマルチ安打を記録して見せた。
チーム全体が2回以降チャンスを活かせずに沈黙する中、石川昂弥が見せた執念と確実性は、最下位に沈む今のドラゴンズにおいて一際輝く希望の光だ。彼がこうして結果を残し続けることこそが、打線復調の最大のキーポイントであり、今後上位打線へと返り咲くための必須条件になるだろう。
まとめ|「あと1本」が出ない病からの脱却を。明日からの戦いへ
結局、6回裏のチャンスも代打攻勢が実らず無得点。8回裏には鵜飼の二塁打などで2アウト満塁の絶好機を迎えるも、最後は山本泰寛が空振り三振に倒れ、試合は3-5のまま幕を閉じた。
今日の敗戦は、髙橋宏斗の6回の2四球という明確な反省点があるが、それ以上に、初回以降のチャンスで「あと1本」を出せなかった打線の過失が大きい。守り勝つ野球を目指す以上、数少ないチャンスを確実にモノにする緻密さがなければ、借金15からの浮上など到底叶わない。
それでも、石川昂弥の復調という素晴らしい収穫もあった。この悔しい敗戦を引きずることなく、火曜日からの交流戦では投打がガッチリと噛み合った、隙のないドラゴンズの野球を見せてくれることを切に願う。

交流戦で巻き返しを!!
ミナドラ
中日ドラゴンズを中心に、選手の成績やプレー内容をもとにした考察記事を書いています。 試合結果だけでなく、データや内容からドラゴンズの現在地や今後の可能性を考えるのが好きです。 ドラゴンズファンの方に、野球をより深く楽しんでもらえる記事を発信していきます。