【中日】劇的逆転勝利の裏に潜む「ベンチの猛省点」…サノー狂喜の8回逆転2ラン!3タテ阻止も、山本のバント失敗と柳の早すぎた降板劇に残る強烈な違和感
横浜スタジアムでのDeNA3連戦。相性の悪さがモロに出て連敗を喫し、最悪の「3タテ」を食らう勢いで迎えた3連戦最終戦(2026年7月9日)。中日ドラゴンズの先発マウンドには、連敗ストッパーとしての期待がかかる柳裕也が上がった。
この日は、ここ最近覚醒の兆しを見せていた石川昂弥をあえてスタメンから外し、サードに高橋周平を起用。さらに打順をまたしてもいじって挑むという、勝負の一戦となった。
試合はミゲル・サノーの劇的な一振りで4-3と逆転勝利を収め、なんとか3タテを阻止したものの、その勝利の裏には首脳陣の選手起用や戦術における「不可解な謎」がいくつも残るゲームとなった。
【試合展開】一進一退の攻防!サノーがレフトスタンドへ確信の逆転2ラン!
序盤:細川の2番起用がズバリ!幸先よく先制
試合が動いたのは3回表。2死から岡林勇希がセカンドへの内野安打で出塁すると、昨日から「2番」に入り好調をキープしている細川成也が魅せる。センターへ弾き返すタイムリーツーベースヒットを放ち、ここ最近の課題だった「早い段階での先制点」をもぎ取ることに成功した。 しかし4回裏、DeNAの牧秀悟に一振りを浴び、ソロホームランで1-1の同点に追いつかれてしまう。
中盤:高橋周平の起用が的中、板山のタイムリーで勝ち越し
6回表、ドラゴンズは再び2死から形を作る。石川昂に代わってサードに入った3番・高橋周平がライトへのヒットで出塁すると、4番サノーもレフト前へ運び、2死1・2塁のチャンス。ここでセカンドの板山祐太郎がライト前へ見事なタイムリーヒットを放ち、2-1と勝ち越しに成功する。
終盤:柳の降板から逆転を許すも、サノーの神がかった一振りで歓喜
だがその裏、先発の柳が捕まる。先頭の度会隆輝にツーベースを許すと、1死から牧にヒット、筒香嘉智に四球を与え、1死満塁の大ピンチを背負ったところでベンチが動き、柳を諦め藤嶋健人を投入。しかし、藤嶋がDeNAの新助っ人エンカーナシオンに手痛い逆転2点タイムリーを浴び、2-3と試合をひっくり返されてしまった。
暗雲が立ち込めたが、ドラマは8回表に待っていた。 先頭の3番・高橋周平がライト線を破る見事なツーベースヒットを放ちチャンスメイク。ここで打席に入ったのは4番のミゲル・サノー。カウント1ストライクからの2球目、完璧に捉えた打球は、打った瞬間それと分かる確信の弾道。ファンの待つレフトスタンドへ突き刺さる圧巻の逆転ツーランホームラン!一気に球場のボルテージを最高潮に引き上げ、これが決勝点となった。
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【検証①】7回表の山本泰寛のバント失敗。「スペシャリスト」ではない現実を見極めよ
サノーの一発で勝利したからよかったものの、7回表の攻撃で見せたベンチの策は猛省の対象だろう。
1点ビハインドの7回表、先頭の石伊雄太がフェンス直撃のライトオーバー(二塁打)を放ち、続く村松開人が四球を選んで無死1・2塁という絶好の同点・逆転チャンスを作った。ここでベンチは代打に山本泰寛を送る。誰もが「バント」だと分かる場面だった。 しかし、山本は打ち上げてしまい、最悪のバント失敗。前回対戦でも見られたようなミスでチャンスを広げることができず、案の定、後続の岡林、細川も凡退して無得点に終わった。
そもそも、山本泰寛は世間で思われているほど「バントが確実に決まる選手」ではない。むしろ大事な局面でのバント失敗のほうが目立っているのが現状だ。代打でのバントは一発で決めなければチームの勢いを完全に殺してしまう。
本気で代打にバントをさせて走者を進めたいのであれば、なぜ加藤匠馬を出さなかったのか。現在のチームにおいて、加藤匠馬以上にバントが上手い選手はいない。山本は勝負強さやユーティリティ性を持った素晴らしい選手だが、ベンチは彼を「バントのスペシャリスト」だと勘違いして起用するのを今すぐやめるべきだ。
【検証②】6回裏・柳裕也の降板劇。75球でのスイッチと藤嶋投入の疑問
もう一つの疑問は、6回裏の1死満塁で先発の柳裕也を代えた場面だ。
確かに捕まってピンチを背負ってはいたが、柳の球数はまだ75球。スタミナ的にも余力は十分に残っていたはずだ。それにもかかわらず、首脳陣は我慢できずに柳をマウンドから降ろした。
百歩譲ってあの場面での投手交代を認めるとしても、なぜ藤嶋健人だったのか。 1死満塁という、1つのヒットも許されない超スクランブルの場面で本当に欲しかったのは、ギアを上げて「三振を取りにいけるピッチャー」だ。対する藤嶋は、どちらかといえば打たせて取るタイプであり、奪三振率が突出して高いわけではない。
現在のリリーフ陣の層の薄さを考えれば、三振を奪える絶対的なボールを持つ投手がブルペンにいなかったという事情はあるかもしれない。しかし、ストレートの球速帯も柳とほぼ同等である藤嶋へのスイッチは、戦術的な意味合いが薄く、結果として痛烈な逆転打を浴びる最悪の形となってしまった。
まとめ|勝ったからこそ浮き彫りになる「選手への見極め不足」
今日の試合は、高橋周平の起用が当たり、サノーが圧巻のパワーを見せてくれたおかげで、最悪の3タテだけは阻止することができた。
しかし、勝ったからといって内容をうやむやにしてはならない。打順を日替わりでいじり回す悪癖に加え、選手の特性や「何が得意で、何が苦手か」を見極めきれていない不可解な選手起用こそが、今のドラゴンズが勝ちきれない最大の弱点だ。
選手たちの個々の状態や得意分野をしっかりと首脳陣が把握し、適材適所で我慢強く起用していくこと。これこそが、これから厳しい夏戦線を勝ち抜いていくための絶対条件となる。
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次のカードは勝ち越しへ!!
ミナドラ
中日ドラゴンズを中心に、選手の成績やプレー内容をもとにした考察記事を書いています。 試合結果だけでなく、データや内容からドラゴンズの現在地や今後の可能性を考えるのが好きです。 ドラゴンズファンの方に、野球をより深く楽しんでもらえる記事を発信していきます。