【中日】借金は今季最多の17。崩壊しかけている「データ無しの勘采配」と「選手を信じない思考停止バント」を徹底検証する
交流戦を4連勝という最高の形でスタートさせたのも束の間、悪夢の5連敗。エース・柳裕也の熱投と阿部寿樹の劇的な一振りが飛び出し、ようやく連敗を止めたかと思えば、西武ライオンズを相手に再び2連敗。
気づけば借金は今シーズン最多の「17」にまで膨れ上がり、もはやここから奇跡的な大型連勝を重ね続ける以外に、チームに残された道はなくなってしまった。
なぜ、ドラゴンズは勝てないのか。先発陣の奮闘をベンチワークがことごとく無に帰す現状の戦い方について、攻撃・守備・首脳陣の動きの3つの視点から、徹底的にメスを入れていきたい。
【攻撃面の猛省1】誰彼かまわずバントを命じる「古臭い思考停止野球」の限界
パ・リーグの強力な投手陣を前に、確かに少ないチャンスを掴みきれないもどかしい試合はあった。しかし全体を通してみれば、打てないなりにも犠牲フライや進塁打を放ち、なんとかランナーを進めて得点圏を作るという「形」自体は見せることができている。
しかし、どうしても見過ごせない致命的な問題が2つある。その1つ目が、「バッターの役割や打順を無視した、誰彼かまわず出す送りバント指示」だ。
何度も言うようだが、上位打線や中軸のバッターがバントをする機会など、長いシーズンを通してもそうそう見られるものではない。あったとしても、9回裏や延長戦のサヨナラの場面など、極めて限定的なシチュエーションのはずだ。 しかし今のドラゴンズは、上位打線だろうが、構わず脳死でバントを指示している。
これでは選手側に「自分は打者として首脳陣に信頼されていないのだな」という不信感や、「この場面はどうせバントだろう」という諦めなど、メンタル面でのマイナスが発生していてもおかしくはない。ましてや、そのバントが勝利に直結した場面など、今シーズン思い出す方が難しいのが現実だ。
本当にチャンスに強い選手を育て、Aクラスを狙えるチームにしたいのであれば、目先の1点に目がくらみ、小細工に走るのをやめ、黙ってベンチで選手を信じて打席に送り出す覚悟を首脳陣は持つべきだ。
【攻撃面の猛省2】11回裏2死満塁での細川成也「痛恨の牽制死」に透ける、あまりにもお粗末な情報共有
気になる点の2つ目は、「ここ一番での致命的な細かいミス」だ。
直近の6月7日の西武戦、延長11回裏2死満塁の場面。3塁ランナーがホームに帰ればその瞬間にサヨナラ勝ちという、これ以上ない大チャンスだった。 この場面で、もしもホームを狙った3塁ランナーがアウトになるのであれば、積極的な走塁の結果として100歩譲って理解はできる。しかし、実際に牽制死になってチャンスを潰したのは、サヨナラに全く関係のない1塁ランナーの細川成也だった。
このシチュエーションにおいて、1塁ランナーがそこまで大きなリードを取る必要性はどこにもない。しかし、細川は信じられないほど大きなリードを取っており、そこを西武バッテリーに完全に逆手に取られた。
何より恐ろしいのは、「まったく同じプレーで、つい先日阪神タイガースが西武ライオンズにやられている」という事実だ。相手の得意な牽制パターンや直近のデータを、スコアラーや首脳陣は本当にチーム全体に共有していたのだろうか。 代打を出す序列の不可解さもそうだが、今の首脳陣は相手のデータを本当に分析し、作戦に落とし込んでいるのかすら危うい。確率のスポーツである野球において、自らその確率を下げるような凡ミスを犯していることに、一刻も早く気づかなければならない。
【守備・投手面の課題】先発陣の孤軍奮闘を裏切る、リリーフ陣の「精神的な脆さ」
次に守備・投手面だ。 これに関しては、先発投手陣は本当によくやってくれている。 柳裕也、大野雄大、金丸夢斗、そして今季初登板で試合を作った涌井秀章にいたるまで、先発陣が大崩れすることはほとんどなく、自らの責任イニングを全うしてゲームを作っている。これだけの先発陣を擁しながら借金17を抱えていること自体が異常事態だ。
中継ぎ陣に関しても、抑える試合こそ増えてきた。しかし、勝っている展開や同点の緊迫した場面になると、精神的なプレッシャーからなのか、途端に制球を乱したり、本来のキレを欠いた甘いボールを痛打されたりと、「中継ぎの乱れで試合を落とすケース」があまりにも多すぎる。
たとえ今シーズンこのままAクラスに入れなかったとしても、この「勝ちパターンのリリーフの不安定さ」という問題が解決しなければ、来年も再来年も、ドラゴンズは定位置となったBクラスのどん底にとどまり続けることになるだろう。
【総括】首脳陣のアップデート不足が最大の敗因。もっと「勝ち」に貪欲であれ
全体を通して言えることは、明らかにベンチの動きが悪すぎるということだ。
代打起用を見ても、その場のデータや状況、打者の相性を完全に無視し、ただの「雰囲気」だけで決めたような場当たり的な選手起用が目立つ。 リリーフのスイッチにしても、イニング途中の大ピンチでわざわざ投入した火消し投手が、先発の残したランナーをすべてホームに帰してしまうようなケースが後を絶たない。これでは何のための火消しか分からない。それどころか、マウンドに上がった瞬間に制球が定まらずフォアボールを出す場面がよく見られ、「本当にブルペンでしっかりと肩を作らせてから送り出しているのか?」と首脳陣の準備不足に疑問符がつく。
すべての選手起用、スイッチのタイミングにおいて、首脳陣の動く間(ま)が悪すぎるのだ。 他球団がデータや最新の戦術を取り入れて進化している中、ドラゴンズの首脳陣だけが過去の遺物のような野球にしがみつき、全くアップデートされていない。これでは借金が増えていくのも納得せざるを得ない。
プロである以上、もっと「勝ち」に対して泥臭く、貪欲であってほしい。球場に足を運んでくれるファンに勝つ姿を見せることこそが、最大のファンサービスのはずだ。この原点をもう一度胸に刻み込み、残りの交流戦、何が何でも勝ち越しを遂行するためにベンチも命がけで頭を動かしてほしい。

勝つことこそが最大のファンサービス!!
ミナドラ
中日ドラゴンズを中心に、選手の成績やプレー内容をもとにした考察記事を書いています。 試合結果だけでなく、データや内容からドラゴンズの現在地や今後の可能性を考えるのが好きです。 ドラゴンズファンの方に、野球をより深く楽しんでもらえる記事を発信していきます。