【中日】あと一本が出ない3安打の拙攻…延長11回裏2死満塁での細川成也「痛恨の牽制死」が呼び込んだ延長12回3失点惜敗、カード勝ち越し逃す
1勝1敗で迎えたパ・リーグ首位の埼玉西武ライオンズとの3連戦最終戦。カード勝ち越しをかけた大一番だったが、中日ドラゴンズは一時は同点に追いつく執念を見せたものの、延長戦の末に1-4で敗戦を喫した。
終わってみれば打線はわずか3安打と沈黙し、少ない好機をものにできない地力の差を見せつけられる形となった。特に延長11回裏の満塁のチャンスで飛び出した痛恨の走塁ミスが、最終的に試合の命運を完全に分ける結果となってしまった。激闘の展開を詳しく振り返る。
涌井秀章が今季初登板で5回1失点!ベテランの意地を見せる
マウンドに上がったのは、これが今シーズン初登板となったベテランの涌井秀章。対する西武の先発はワイナンス。
涌井は序盤から熟練されたピッチングで西武打線に的を絞らせない。4回まで無失点に抑える快投を披露したものの、5回表に先頭の長谷川信哉に二塁打、柘植世那にライト前ヒットを浴びると、無死一・三塁から源田壮亮にライト前タイムリーを許して1点を先制される。
しかし、涌井が失ったのはこの1点のみ。5回を投げて被安打3、1失点と、初登板ながら試合をしっかりと作り、ベテランとしての役割を十二分に果たしてみせた。今季初登板という背景を考慮してか5回降板となったが、小気味良いテンポだっただけに「もう1イニング、6回まで投げさせてもよかったのではないか」と感じさせるほど、次回への期待が膨らむ素晴らしい内容だった。
8回裏:代打・鵜飼の激走から、岡林勇希の同点犠飛で試合は振り出しへ
涌井の後を受けたリリーフ陣、伊藤茉央、藤嶋健人、橋本侑樹が西武に追加点を与えず粘り強くつなぐと、8回裏に打線が意地を見せる。
西武の2番手・佐藤隼輔に対し、先頭の代打・鵜飼航丞がサードベースを強襲する執念の二塁打を放ち出塁。1死三塁とチャンスを広げると、打席には前日復活のマルチ安打を放っている岡林勇希。岡林が放った打球はライトへの同点犠牲フライとなり、ドラゴンズが1-1の同点に追いつき、バンテリンドームは歓喜に包まれた。
11回裏:2死満塁の絶好機が一転…細川成也が痛恨の牽制アウトでサヨナラ逃す
試合はそのまま今節を象徴するような緊迫した延長戦へ突入する。そして11回裏、ドラゴンズに最大のサヨナラチャンスが訪れた。
西武の5番手・浜屋将太からヒットと四球を絡めて2死一、二塁とすると、西武は6番手の上田大河を投入。上田に対し、4番・細川成也が敬遠気味のフォアボールを選んで2死満塁、一打サヨナラというこれ以上ないお膳立てが整う。
打席には前日に先制2ランを放っている板山祐太郎。一気呵成に攻め立てたい場面だったが、ここで信じられないプレーが飛び出す。上田が投じた初球(ボール)の後、一塁ランナーの細川が上田の見事な牽制球に引っかかり、タッチアウト。サヨナラの興奮が最高潮に達していた球場は、一瞬にして凍りつくこととなった。
相手投手が満塁のプレッシャーから初球ボールと制球に苦しんでいた場面。一打サヨナラ。一塁ランナーの細川はサヨナラに関係ない場面。自らチャンスの芽を摘んでしまったこの走塁死は、あまりにも痛すぎるミスとなった。
12回表:完全に流れを失い、齊藤綱記が痛恨の3失点で万事休す
サヨナラのチャンスを最悪の形で逃した直後の12回表、野球の恐ろしさを象徴するように試合が動いてしまう。
この回から8番手としてマウンドに上がった齊藤綱記だったが、前イニングの嫌な流れを断ち切ることができなかった。先頭の長谷川にレフトスタンドへの8号ソロホームランを浴びて1-2と勝ち越しを許すと、そこから西武打線の連打を止められず、古賀悠斗に2点タイムリー二塁打を浴びて一挙3失点。
11回裏のミスで完全に流れを相手に渡してしまったツケが、そのまま重すぎる失点となって跳ね返ってくる形となった。12回裏の攻撃は西武の豆田泰志の前に三者凡退に抑えられ、試合終了。
まとめ|「1本の重み」を知る敗戦。勝負どころでのミス撲滅が今後のカギ
追いつくまでの粘りや、今季初登板の涌井が見せた好投など評価できる点があった一方で、最終的には勝負どころでの1つのミス、そして試合を通じてわずか3安打に終わった拙攻がすべてを台無しにしてしまった。首位を走るライオンズは、そうした一瞬の隙を見逃してはくれなかった。
4連勝のあとの大型連敗からようやく脱出したかと思われたが、再び手痛い連敗でのカード負け越しとなってしまった。しかし、涌井の復活やリリーフ陣の奮闘など、投手陣の形は整いつつある。打線がこの3安打という結果を猛省し、次のカードでは勝負強さと集中力を取り戻した「強いドラゴンズ」の野球を見せてくれることを期待したい。

気合を入れろ!!ドラゴンズ!!
ミナドラ
中日ドラゴンズを中心に、選手の成績やプレー内容をもとにした考察記事を書いています。 試合結果だけでなく、データや内容からドラゴンズの現在地や今後の可能性を考えるのが好きです。 ドラゴンズファンの方に、野球をより深く楽しんでもらえる記事を発信していきます。