大野雄大が止めた悪い流れ
――100勝の節目で示したベテランの価値
4連勝の勢いを失い、気がつけば3連敗。
連勝をそのまま連敗で返してしまう、嫌な流れの中で迎えたこの一戦。
これ以上の負の連鎖を断ち切るため、ドラゴンズがマウンドに託したのは「連敗ストッパー」大野雄大だった。
この日は通算100勝がかかるメモリアルゲーム。
派手さはなくとも、試合を壊さず、流れを引き寄せる投球術で幾度となくチームを救ってきた左腕が、再びその役割を担った。
援護なき中でも崩れないエースの投球
試合序盤から、ドラゴンズ打線は再三チャンスを作りながらも、あと一本が出ず無得点。
重苦しい展開が続く中でも、大野は表情一つ変えず淡々とアウトを積み重ねていく。
ストレートで力押しする全盛期の姿ではない。
しかし、ストレートの質は健在で、要所ではしっかりとコースを突き、緩急を使い分けながら相手打線を抑え込んだ。
6回を投げ切り、被安打4、無失点。
「さすが」と言うほかない内容で、打線の援護をじっと待ち続けた。
均衡を破った7回、流れを逃さなかった集中力
試合が動いたのは7回だった。
先頭のボスラーが倒れワンアウトとなるも、田中幹也がセンターへ鋭いツーベースヒットを放ち、一気にチャンスが生まれる。
ここで、大野に代わって代打・阿部寿樹。
プレッシャーのかかる場面で、きっちりとレフト前へ運び、ワンアウト1・3塁。
ベンチの期待に、ベテランが完璧に応えた。
そして、迎えた大島洋平は空振り三振、しかし、ここで相手投手のワイルドピッチ。
思わぬ形ではあったが、待望の先制点が転がり込む。
さらに勢いは止まらない。
板山祐太郎が右中間を破るタイムリースリーベース。
村松開人が四球でつなぎ、細川成也がセンターの頭を越えるタイムリーツーベース。
相手のミスを見逃さず、一気に4点。
ここ最近のドラゴンズに欠けていた「流れを逃さない野球」が、ようやく形になった瞬間だった。
勝ち切る継投、そして大野雄大100勝達成
7回以降は、メヒア、杉浦、藤嶋がリレー。
リードを守り抜き、試合はそのままゲームセット。
大野雄大は通算100勝を達成。
チームの連敗も3でストップした。
数字以上に価値があるのは、この1勝が「流れを断ち切る1勝」だったことだろう。
勝ったからこそ見える課題
ただし、内容を冷静に見れば課題が消えたわけではない。
もっと早い段階で得点できる場面は、確実にあった。
もし序盤で点が取れていれば、試合展開はさらに楽になっていたはずだ。
先制点は相手のミスによるものだったが、その後にタイムリーで畳みかけられた点は評価できる。
どんな形であれ、得点できれば勝てる。
その事実を、改めて突きつけられた試合でもあった。
だからこそ求められるのは、
打つことだけに頼らない得点力。
走塁、進塁打、相手にプレッシャーをかける細かなプレー。
記録に残らない部分の底上げがなければ、大型連勝は望めないし、Bクラスから抜け出すことも難しいだろう。
それでも、希望を託したくなる存在
38歳。
完全にベテランの域に入った大野雄大だが、その投球にはまだ衰えを感じさせない。
ピンチを背負っても慌てず、要所を締める姿は、今のドラゴンズにとって何よりの支えだ。
この投手が元気なうちに、
本気で優勝争いに食い込むチームになってほしい。
一ファンとして、そう願わずにはいられない。
この1勝を「ただの1勝」で終わらせないこと。
それが、これからのドラゴンズに課せられた次のテーマだ。

今度こそ大型連勝へ!!
ミナドラ
中日ドラゴンズを中心に、選手の成績やプレー内容をもとにした考察記事を書いています。 試合結果だけでなく、データや内容からドラゴンズの現在地や今後の可能性を考えるのが好きです。 ドラゴンズファンの方に、野球をより深く楽しんでもらえる記事を発信していきます。